「ミツバチの羽音と地球の回転」

「ミツバチの羽音と地球の回転」
鎌仲ひとみ監督の作品。
ずっとタイミングがあわず見逃していたが、ふと調べたら地元で上映会が開催されることを知って慌てて申し込んだ。2つ先の駅前の小さなホール。
そういえば、鎌仲監督の前の作品「六ヶ所村ラプソディー」も池袋での自主上映会で観た。鎌仲監督の作品は、自主上映会が全国各地の有志の手でずっと開催されている。
今回の作品「ミツバチの羽音と地球の回転」は、山口県の祝島・上関原発建設と、スウェーデンの自然エネルギーへのシフトへの様子をとらえたドキュメンタリー。
2010年の作品だが、311の震災・原発事故後の今見ると、映画と現実がごちゃごちゃになって、311以前の作品なのに、震災後を状況を受けて作られたものかと勘違いしてしまうほどの内容だった。
これからご覧になる方もいると思うので作品の内容についてはともかく感想を。
僕は、山口県の瀬戸内海側の町の出身で、実家もまだ山口にあり家族・親戚が暮らしている。
上関原発が建設され稼働し、仮に福島のような事故があった場合、確実に住めなくなる距離だ。
また、広島が近いこともあり、小さいころから割と「核」に関する教育はあったし、広島で被曝された方やその家族の方々も周りにいた。
にもかかわらず、正直いままで何も考えてこなかったし、行動もしてこなかった。
本当に福島での原発事故がなければ、最悪の事態がリアリティを持って想像できなかった。自分の想像力の無さが情けない。
映画の中、山口の言葉で上関原発建設反対を叫ぶおばあちゃん達・祝島の方々の姿に、自分の家族や親戚の姿がだぶってしまって、途中、観ているのがしんどかった。
後半はスウェーデンでの脱石油・脱原発から自然エネルギーへのシフトへの様子や電気をどこから買うか、ということが自由に選べない日本の現状などから感じたのは、
「すべてにおいて、やはり『循環の輪』が大きすぎる」
ということ。
僕は「食べ物」を中心に「身土不二」「地産地消」等のキーワードで、その『循環の輪』をなるべく小さくしましょう、と伝えてきた。
でもあたりまえだけど「エネルギー」だってそうだ。
日本にない化石燃料からそのエネルギーを得るのは不自然だし、自分ちの近くに危なくて置いておけないような発電所を他人の庭に置かせてもらって、エネルギーを大幅にロスさせて送ってもらった電気だけ使うなんて、おかしい。
そんな電気は使いたくない。電気を買う先を選びたい(「発送電分離」を実現する道筋をつけるまで、菅総理には辞めないで欲しいのだけれど)。
今までそして今も、上関原発建設の反対運動を続けて下さっている方々、支援して下さっている方々、本当にありがとうございます。今は感謝の気持ちでいっぱいです。
「ミツバチの羽音」程度の振動でも、地球の回転に影響を与えられる。
蝶の羽ばたきでも、台風を引き起こせる。
絶対に。