「竜の学校は山の上」九井諒子

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「竜の学校は山の上」九井諒子作品集
少し前、吉祥寺ブックスルーエのおすすめコーナーで知りました。
九井諒子さんの短編集。
タイトルの作品は、日本にふつうに「竜」が存在する世界での、大学の『竜学部』のお話。
その他、「馬人」(ケンタウルス)と「猿人」(人間)が共存している世界の話や、「魔王を倒した後の『勇者』と世界」の話など。
仰々しい戦いや事件は無いけれども、少しだけこの世界とは違ったファンタジー世界で暮らす人々の日常が描かれています。ほんの少し、何かが違っていれば私のいる今の世界は無いわけで、こういった世界もパラレルでありだよなあ、といった素敵な物語たち。
一年前には、今の、「震災後」の世界なんて予想もしていなかったし、私の世界には無かった。でもほんの些細なことの連続でこうなった。現実のほうがドラマチックで、擦り切れそうなな時、私は「物語」には救われます。
ものを買うのも「この人から買いたい」「この店で買いたい」という大きな意味での「物語」で買いたいし、自分が大事にしたいのはこの「物語」「ストーリー」の部分なんだと思います。
「物語」を持てるのは、人間の素敵な部分ですね。
現在発売中の月刊コミック@バンチでは読み切り「人魚禁漁区」が掲載されています。こちらも素敵なお話です。