「結界」下瀬信雄写真展〜第34回土門拳賞受賞(大阪ニコンサロン2015/6/4-17)

大阪ニコンサロンで開催中の、下瀬信雄さんの写真展「結界」。
同じタイトルで何度も写真展を開催されているシリーズですが、今回は「第34回土門拳賞受賞作品展」となっています。
下瀬さんは、山口県萩市を拠点にされている写真家で、私が初めて下瀬さんの写真を拝見したのも、実家の父が持っていた地元の神事を撮った写真だったと思います。
■ホームページ http://ww51.tiki.ne.jp/~sssc/
いつもは東京のニコンサロンで拝見していたのですが、今回は予定が合わず残念に思っていたら、ニコンサロンは大阪にも巡回することが多いことを思い出して、調べてみたら丁度開催中でした。
下瀬さんのモノクローム作品の、そのトーンの豊かさ、美しさに私は、毎回目を奪われます。
そして今回のシリーズもそうなのですが、地元山口県の野山を中心に撮影された作品は、モノクロームならではの、見る側のイメージを喚起するという意味でのカラフルさと、その視点、フレームの切り取り方(まさに「結界」とも言うべき)には、いかに自分が目の前のものをちゃんと見ていないのか、ということに気付かされ、打ちのめされます。
ハナニラの群生の写真。
展示してあった中ではサイズもそれほど大きくなく、目立つものではなかったのですが、今回の作品の中では私は何故か一番惹かれました。
なんだろう、なんであれが引っかかるんだろう。
後から色々と考えることができるのも、写真展の楽しみの一つです。